主なポイント:

  • Bitcoinの下落はNasdaqの弱さを反映しているが、根本的な理由は見当たらない。

  • 現物BTC ETFへの資金流入は鈍化しているものの、ネットではプラスを維持しており、投資家の需要は依然として強い。

  • ステーブルコインの流動性やオンチェーンでの蓄積が反発の条件を示唆している。

Bitcoin(BTC)は火曜日に$100,800まで下落し、今週は10%以上の下落となり、リスク資産が圧力を受ける中でNasdaq 100先物の1.67%の下落と同様の動きを見せた。Ecoinometricsのデータによると、過去にNasdaqが1日で1.5%以上下落した場合、Bitcoinは75%の確率でマイナスリターンを記録し、平均で–2.4%の下落となっている。itcoin Nasdaq correlation by Ecoinometrics. 出典: X

マクロ経済的な逆風にもかかわらず、アナリストはBitcoinの価格の弱さはファンダメンタルズによって完全には正当化されないと主張している。金融環境は依然として緩やかで、株式市場は最近過去最高値を記録した。

「Bitcoinはマクロ環境に対して過小評価されている」とEcoinometricsは指摘し、現在の下落は構造的というよりもセンチメント主導であることを強調した。

しかし、現物Bitcoin ETFへの資金流入は10月初旬以降、顕著に鈍化している。第4四半期の最初の2週間で50億ドル超のネット流入があったが、過去4週間では累計で約15億ドルの流出となった。この変化は需要の冷え込みを示唆するものの、全体のネット流入バランスは依然としてプラスであり、BTCへの長期的な投資家の関心が根強いことを示している。

ビットコインが101,000ドルを下回る:アナリストは「ファンダメンタルズに基づけばBTCは過小評価されている」と指摘 image 0 現物BTC ETF週間ネット流入合計:出典 SoSoValue

世界的にも、暗号資産上場投資商品(ETP)全体で流入の鈍化が見られる。先週は全ての暗号ETPから2億4,660万ドルのネット流出があり、その大部分はBitcoinからの7億5,200万ドルの流出によるものだった。特にiShares Bitcoin Trust(IBIT)が4億300万ドルの流出でトップとなり、GrayscaleのGBTCは6,800万ドルの流出となった。

ビットコインが101,000ドルを下回る:アナリストは「ファンダメンタルズに基づけばBTCは過小評価されている」と指摘 image 1 グローバル暗号ETPファンドフロー:出典 Bitwise

オンチェーン指標は状況にさらなるニュアンスを加えている。売り圧力は週ごとに8億3,500万ドルから4億6,900万ドルへと緩和し、長期的な蓄積は依然として強い。Bitcoinのクジラは約4,900BTCを取引所に送金しており、これはパニックではなく慎重なポジション調整の兆候といえる。

取引所保有の準備金は285万BTCまで減少し、BTCが200日移動平均($108,000)や短期保有者のコストベース($113,000)を下回って取引されている中でも、広範な蓄積傾向を強調している。

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Bitcoinの流動性が転換点を示唆

CryptoQuantのデータによると、ステーブルコイン供給比率(SSR)は13~14のレンジまで低下しており、これは今年初めにBitcoinが反発する前と同じゾーンである。歴史的に、この水準は流動性の転換点となっており、ステーブルコイン残高の増加はサイドラインでの「購買力」の上昇を示している。

ビットコインが101,000ドルを下回る:アナリストは「ファンダメンタルズに基づけばBTCは過小評価されている」と指摘 image 2 Bitcoinステーブルコイン供給比率:出典 CryptoQuant

現在、Bitcoinが$101,800で取引されている中、低いSSRはステーブルコインの流動性が静かに再び積み上がっていることを示しており、救済的な反発やこのサイクルの最終的な強気局面の舞台が整いつつある可能性がある。

しかし、SSRの反発は回を重ねるごとに弱まっており、もう一度上昇局面が訪れる可能性はあるものの、市場の基礎的な流動性モメンタムは弱まっている可能性がある。

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